黄金草原 02 スキタイの世界

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動物闘争文様

参照 THE GOLD OF THE SCYTHIAN
参照 THE GOLD OF THE SCYTHIAN
参照 Scythians: Warriors of Ancient Siberia
参照 Scythians: Warriors of Ancient Siberia
参照 Scythians: Warriors of Ancient Siberia

動物闘争文様。 
強者が弱者を喰らう世界。

なぜか彼らはこの文様を愛した。
スキタイは愛した。

強者と弱者。
勝利と敗北。そして訪れる生と死。

厳しい。だが、あるがままの自然の摂理。
草原世界という動物と人が共に作り上げた世界において、極めて単純なルールが存在したのだろう。

生存のための勝利。

生きるためには強くあらねば。
弱さはごく単純に罪なのだと。

アルジャン2

参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH
参照 APЖAH

ロシアの南で発見された、スキタイ文様の最古の金製品である。
その年代は驚くべきことに紀元前7世紀のものだとされる。

すでに彼らは完成されていた。
草原世界という文明を。

その黄金製品を見てもわかるように彼らは富者だ。
強者だ。
そしてかれらが富者であり、強者でありえた理由がある。

参照 APЖAH
参照 APЖAH

それは『馬』だ。

馬は力

彼らは墓に馬を埋めた。
死後の世界も馬と共に。

当然ながら死後の前、生前においても彼らは馬と共にあった。

馬の持つ強大な力、それは軍事力に他ならない。
後世、ギリシャの歴史家ヘロドトスがその著書『歴史』で述べるように『世界王者』アケメネス朝ペルシアに勝つことさえあったのだ。

参照 National geographic 2003.06

『馬は来世でも富の象徴』

もちろん彼らが生きた現世においてもだ。

何度も言う『馬』を畜として扱ってはいけない。
『馬』は『聖なるもの』、『貴なるもの』なのだ。

参照 National geographic 2003.06
参照 National geographic 2003.06

世界四大文明がいずれも『農耕世界』に誕生したのは誰でも知っている。
彼らは「文字」を持ち、「先進的」「開明的」だと言われる。

ゆえに文字を持たない他者を未開だと言う。未熟だという。
文字を唯一の指標とする。

しかし、農耕世界にも、自称文明世界にもないものがある。
到達しえなかった境地がある。

それは『馬』だ。

馬は天与の地、神がみそめた幸運と幸福の地、『草原世界』にしか生まれなかった。

彼らは戦時においては他者を、馬がもたらす機動力、衝撃力、軍事力で圧倒した。
そして重要なことだが『平時においては彼らは馬の交易によって財を得ていた』。
富を得ていたのだ。

馬は農耕世界から見れば喉から手が出るほど欲しい「商品」なのだ。
当たり前だが、商品の流通、すなわち経済上、需要が大きく供給が小さいほど「価格は上がる」。
馬はとても高価な商品でもあるのだ。

持つものと、持たざるもの。

草原世界から見れば自称、他称文明世界はいずれも未達な世界なのだ。
『馬』に未達なのだ。

現代においては『馬』を動力としない。
よって『馬』を指標とすることはあり得ない。

だが歴史は違う。
『馬』を指標とすべきなのだ。

なぜなら歴史は常に『馬』と共に動いてきたのだ。
『馬』なしの歴史などあり得ないのだから。

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